中堅私大入試と共通テストの英語の問題について
- 安田 菜々花

- 7月19日
- 読了時間: 3分
こんにちは。こまらん塾心理秘書の安田です。
今回は、「大学入試センター試験」(以下、センター試験)に代わり2021年度から導入された「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)に関して、中堅私立大学の入学試験問題(以下、私大入試)と比較した英語問題の特徴を見ていきたいと思います。今回、私大入試としては駒澤大学と専修大学のものを参考にしました。
センター試験も大学入学共通テストも大学受験の際に基礎的学力を評価することを目的としているという点は同じですが、その問題形式や難易度は異なります。
そこで、今回はセンター試験と共通テストの問題の特徴とレベル感について、私大入試との親和性を考えていきたいと思います。特に私大専願受験を考えている方にとっての参考になればと思います。
問題形式の特徴
まず、センター試験と共通テストの問題形式の違いに着目していきます。
問題を見てすぐにわかるのは、共通テストは設問自体が英語であることです。ここから、共通テストの英語の問題は英語の知識を測るという目的に留まらず、英語の運用能力自体が試されているとも考えることができます。
次に、センター試験と共通テストの最終問題(2020年センター試験は第6問、2025年共通テストは第8問)の語数を比較してみたいと思います。どちらも最終問題は説明的文章の読解ですが、センター試験は約570語、共通テストは1242語でした。この語数の圧倒的な違いから、共通テストでは解答に必要な箇所をいかに早く選択し、正確に読みとるかが求められていると言えます。つまり、共通テストでは情報処理能力を高める必要があると考えられます(斉藤、2025)。
さらに、これは私自身が実際に共通テストの過去問を解いて感じたことですが、発音・アクセント問題がないのが印象的でした。また、共通テストには文法問題がないことも特徴の一つです。一方、センター試験では発音・アクセント問題、文法問題が出題されていました。
中堅私大入試においては、最終問題の語数は約300-600語で、発音・アクセント問題や文法問題が出題されています。このことから、センター試験と比較して、共通テストには私大入試との親和性がなくなったと言えます。
問題の難易度
次に、問題の難易度について見ていきたいと思います。英検に換算して考えると、センター試験は英検2級程度、共通テストは最後の大問が英検準1級程度と言われています。しかし、共通テストには問題番号が後ろにいくにつれて難易度が上がってくるという特徴があるため、一概にセンター試験よりも英検1レベル分難しくなったという理解だけでは、十分な対策ができないかもしれません。
参考書の中には「共通テストレベル」と記載されているものがあります。
しかし、例えば第1問であれば大東亜帝国レベル、第8問であればMARCHレベルに近いため、「共通テスト第⚪︎問レベル」などの表記の方がより正確に難易度を示していると考えられます。
今回は、センター試験と共通テストの特徴に着目し、中堅私大入試との親和性について考察しました。
問題の形式・難易度の観点から、センター試験と比較して、共通テストは私立大学の入学試験問題と親和性がないと言えます。そのため、私大入試と共通テストの両方に取り組む際には、対策の仕方に注意をする必要があるでしょう。
【代表・山本のひと言】
センター試験時代と比べて、私大専願者にとっては対策しづらくなってしまった共通テスト。「自分がどの試験でどのくらい得点をするべきなのか」という基本を忘れずに、学習を進めていきたいものです。
こまらん塾では、そのような学習計画・勉強法についてのお悩みも無料相談にて受け付けています。お問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご連絡ください。



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