エビングハウスの忘却曲線とこまらん塾流・英単語暗記法
- 安田 菜々花

- 9月13日
- 読了時間: 4分
こんにちは。こまらん塾心理秘書の安田です。
今回の記事は「記憶」に関する内容です。何かを記憶したい時、一度覚えても時間が経つと忘れてしまう...そんな経験がある方は多いのではないでしょうか。この記事では記憶の定着に関して「エビングハウスの忘却曲線」に着目するとともに、英単語の効率的な学習方法についても考えていきたいと思います。
記憶の種類について
そもそも記憶とは何でしょうか。日本心理学諸学会連合心理学検定局は、「記憶は、情報を頭の中に入れ、その情報を一定期間保持し、そして必要に応じてその情報を想い出す過程のことである」と定義しています。また、「記憶」は「感覚記憶」「短期記憶」「長期記憶」の3種類に分けることができます。
脳科学辞典では、この3つの記憶は以下のように説明されています。まず、「感覚記憶」は最も保持期間が短く意識されない記憶です。そして、その中でも注意を向けられた記憶だけが「短期記憶」として保持されます。しかし、短期記憶の保持期間は数十秒程度であり、保持できる量にも限界があります。ちなみに短期記憶に関して「マジカルナンバー7±2」という用語があるのですが、これは数字を何ケタまで覚えられるかのテストを行うと、大人では7ケタ±2とされるという実験結果に基づいています(日本心理学諸学会連合心理学検定局)。
短期記憶に含まれる情報の多くは忘却されますが、その一部が長期記憶として保持されます。長期記憶は保持期間が長く、数分から一生にわたって保持される記憶です。容量の大きさの制限もないとされています。ちなみに、保持情報が長期記憶として安定化する過程のことを「記憶の固定化」といいます。
つまり、何かを確実に覚えて長期記憶にするためには、記憶を固定化するプロセスが大事であると考えられます。そこで、記憶の定着について考える際に大きな参考となるのが、「エビングハウスの忘却曲線」です。
エビングハウスの忘却曲線
ドイツの心理学者エビングハウス(1850-1909)は、記憶に関する実験的研究の先駆者として知られています。彼により提唱されたのが「エビングハウスの忘却曲線」です。
エビングハウスは、2つの子音の間に母音をはさんだ3字(LAH、RORなど)からなる意味を持たない音節を用いて記憶の実験を行いました(科学辞典)。彼は完全に暗唱した音節のリストについて特定の時間経過後の再学習にかかる反復回数を調べ、最初の学習に要した反復回数と再学習時の反復回数の差を「節約」と呼びました。この節約率を縦軸に、時間経過を横軸にとってグラフにしたものが、「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれています。

このグラフは、最初に記憶してからある時間経過後の復習に必要な反復回数について、例えば20分後には最初に学習した時の58%、60分後には44%の復習で再度記憶の定着を確認できることを意味しています。グラフに示されている時間に沿って復習をしていくと、31日後にはわずか21%の反復のみで復習を終えることができると言えます。
3.こまらん塾流 英単語暗記法について
さてここからは、前述の記憶のシステムに大きくかかわる英語学習の1つである英単語暗記について、代表の山本がこまらん塾で推奨している勉強法をご紹介します。
例として、今回は大学受験で用いられることの多い英単語ターゲット1900を挙げます。
この単語帳はその名の通り、1900個の英単語が掲載されているわけですが、あなたならこの1900個をどんな風に暗記しますか?
こまらん塾では、以下のような方法を推奨しています。
「1900個の単語に1週間ですべて触れる(音声を聞いて聞き流す。余裕があるときは単語帳を見ながら)」
・日曜日・・・夜に1~400
・月曜日・・・朝に1~400、夜に401~800
・火曜日・・・朝に401~800、夜に801~1200
・水曜日・・・朝に801~1200、夜に1201~1400
・木曜日・・・朝に1201~1400、夜に1401~1600
・金曜日・・・朝に1401~1600、夜に1601~1800 ・土曜日・・・朝に1601~1800、夜に1801~1900
・翌週日曜日・・・朝に1801~1900、夜に1~400
これを見て、「そんなハイペースで覚えられるわけない…!」と思う方も多いかもしれません。
しかし大切なのは、「1回で覚えること」ではなく「単語への接触回数を増やして、少しずつ知っている単語を増やしていく」ということなのです。
前述のエビングハウスの忘却曲線のグラフからもわかる通り、
人が1回でなにかを覚えるというのには限界があるため、
何度も繰り返して覚えることが大切なのです。
こまらん塾では特に、英単語帳の音声ダウンロードを使用して
「英単語を耳から覚える」ということを推奨しています。
例え英単語帳を開けないタイミングでも、これなら単語への接触回数を増やすことができますよね。
というわけでは今回は、エビングハウスの忘却曲線とこまらん塾流の英単語暗記法についてのお話でした。
英語学習の初歩で迷ったときは、お気軽にこまらん塾・こまらん家庭教師にご相談ください。
それでは~


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