フローって? ~心理秘書のエピソードも~
- 安田 菜々花

- 10 時間前
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こんにちは。こまらん塾心理秘書の安田です。
最近、急に冷え込んできましたね。
朝ベッドから出て活動することが億劫になったり、温かい部屋で作業を始めてもなかなか集中力が続かなかったり...そのような経験はありませんか。
この「億劫さ」を吹き飛ばし、夢中になって時間が経つのを忘れるほど集中して活動に取り組んでいる状態のことを「フロー状態」と言います。
今回はこの「フロー」について、その定義やフロー状態に入るために必要な条件とともに、私自身の体験談についてもお話ししていきたいと思います。
フローとは
フローとは心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した理論であり、
「時を忘れるくらい、完全に集中して対象に入り込んでいる精神的な状態」を意味します(識学総研、2025)。フロー状態に入ることで高い集中力を発揮し、作業の効率を向上させることが期待できます。
また、チクセントミハイは人間の精神状態を次の8つに定義し、それぞれ「スキルレベル」と「挑戦レベル」の2つの軸で以下のように位置付けました。

画像からもわかるように、フローは8つの精神状態の中でスキルレベル・挑戦レベルともに最も高い状態だと言えます。これは難易度の高い仕事にそれに見合う能力で取り組んでいる状態を表しており、そのような時に高い満足感を得ることができるとされています。
では、フロー状態に入るには何が必要なのでしょうか。条件としてさまざまなものが紹介されていますが、ここでは8つの条件を紹介します。
フロー状態に入る条件(識学総研、2025)
目標を明確にする
挑戦と能力の釣り合いを保つ
即時にフィードバックを受ける
活動へ集中する
自己意識を低下させる
現在に重要さを感じる
自己コントロール感を持つ
活動に価値を見いだす
以上の条件からは、事前に環境を整えたり、取り組む内容に対する意識を変えたりすることがフロー状態につながると言えます。活動に効率的に取り組み、かつ充実感を得るために、フロー状態に入れるような工夫をしてみるのはいかがでしょうか。
フロー状態を目指すために
では、フロー状態に入るためにできることは何でしょうか。ここでは「環境づくり」と「活動内容への意識」について、それぞれ私の体験談をお話ししたいと思います。
まず「環境づくり」に関して、私は図書館やカフェなどの家の外で作業をすることが多いのですが、内容が聞き取れるような話し声があったり、歌詞付きの音楽が流れていたりするとどうしても気が散ってしまいます。会話や音楽が興味があるものであればなおさらです。
しかし、いつの間にか作業に集中していた状態からふと我に返ると、直前まで耳に入っていたはずの音の内容がわからないといった経験が何度かありました。これはおそらく、自分の中での優先度が耳からの情報よりも目の前の作業の方が高くなっていたからだと思います。この経験を経て、何か作業をする時に耳が寂しいと感じた時には、あえて自分が興味のない音声を流すことも考えるようになりました。
また「活動内容への意識」については、その時に考える必要のない作業への意識が集中力を左右すると感じた経験があります。これもやらないと、あれもやらないと、これをするためにはまずあれを確認しなくては...と、しなければならないことが複雑である時ほど焦りが勝ってしまい、頭の中は落ち着いてくれません。
そこで、一旦しなければならないことを書き出した上で、優先度の低いものは後日に取り組むと決めてスケジュールを立てるようにしました。そうすると、今日はこれだけをやればいいという安心感を得ることができ、他の作業の存在に捉われずに落ち着いて目の前のことに取り組めるようになりました。その結果、集中して作業を行うことができたと感じる機会が増えました。
以上のように、環境を整えることやその瞬間に取り組みたい内容を認識することは、何かの作業に取り組むにあたって自ら工夫できる点であると言えます。まずは自分がどのような場や気持ちの時に集中できるのかに気づき、それに従って環境や意識を変えていくことがフロー状態に近づくための第一歩となるのではないでしょうか。


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